関節軟骨の栄養補給
関節軟骨には血管がありません。
そのため、普通とは違う方法で栄養を吸収しています。
関節軟骨が栄養を吸収する仕組み
皆さんご存知だとは思いますが、
身体の栄養は、血管やリンパ管と呼ばれる管で血液やリンパ液と一緒に運ばれます。
しかし、関節軟骨には血管やリンパ管は存在しません。
実は関節では、滑膜から生産、吸収される滑液から栄誉補給をしているのではと考えられています。
そのため、整形外科では膝に水がたまると、水を抜くのと同時に炎症を抑える薬を関節内に注射したり、軟骨がすり減って痛みが出ている時にはヒアルロン酸を関節内に注射することがあります。
これらは、関節軟骨に血管がないため血管に点滴や注射をするのではなく直接関節に処置をするのです。
関節を守る靭帯
関節の運動は筋肉だけではコントロールできません。
特に予測できない急激な動きに対しては反応できないことが多く筋肉より早く動き強く支えているのが靭帯です。
そんな関節を守っている靭帯について説明していきます。
靭帯は筋肉の腱と同じようにコラーゲンを主成分とする硬い組織です。
腱よりもさらに固く伸びにくく、関節の周りに付いていて関節が外れないように固定したり、関節が余計な動きをしないように動きを制御したりしています。
筋肉も関節を動かす他に関節の保護も働きの一つではありますが、筋肉よりも関節の保護は優れています。
それは働くまでの時間です。
筋肉は、関節が外れたことを周りのセンサーが感じ取り、情報を脊髄や脳に伝達し、そこからの指令によって筋肉を動かすという手順があるため働くまでの時間がかかってしまいます。
しかし、靭帯の場合には関節にズレが生じるとその硬さを利用してすぐに支えることができるのです。
靭帯は、力が強く硬い組織でそれを利用して関節を支えていますが、その限界を超えると切れてしまいます。
これを靭帯損傷と言います。
そのため、時間をずらして靭帯がさあせている間に脳で情報処理されたデータをもとに筋肉がバランス良く働きかけ双方の組み合わせによって、より安定した関節の制御を生み出しています。
関節の法則
関節の動きには、関節が外れにくい仕組みがあります。
それが凹凸の法則です。
今日はそこを説明していきます。
関節は凹凸の関係の中で動いていますが、凹側、凸側の片方のみの回転だけの動きでは回転方向の関節部分が圧迫され、反対側が開いてしまいます。
これでは、関節に負担がかかってきます。
そこを補っているのが、回転動作と同時に滑りという動作が行われているからです。
また、関節面が動く時の関節面の滑りや回転の方向はすべて同じ方向ではなく、凹側の動きか凸側の動きかで変わってきます。
これらの働きを関節が外れにくく負担のかからないように動かすことを可能にしている凹凸の法則になります。
動きが逆になる理由は、関節の軸が関係しています。
関節の軸は常に凸側にあり、凹側が動く時には骨の動く方向と関節面の滑りと回転は同じ方向になります。
一方で凸側が動く場合には、凸側に関節の軸があるため軸を中心にして骨が動く方向と、関節面の滑りと回転の方向が逆になります。
このように法則に伴って、関節内での圧迫がなくなめらかな動きを可能にしています。
関節の種類
今日は、関節の種類を説明していきます。
関節は運動の軸数によって、1軸、2軸、多軸(3軸以上)と大きく3つに分けられます。
皆さんも自分の身体の関節がどの関節の種類に分類されるか考えてみながら読んでみてください!!
まずは、1軸から説明していきます。
1軸関節は運動の軸が1本で1方向で動きを行います。
1軸関節には、ドアと柱をつなぐ蝶番のように折りたたむ動きをする蝶番関節。
蝶番関節と動きは同じながら関節面の形から、蝶番関節の変形バージョンである螺旋関節。
1本の軸に対して車の車輪を回すような動作から車軸関節。
これら3種類に分けられます。
次に運動の軸が2本ある2軸関節について。
軸が2本あるので動きも2方向に行うことができます。
関節面の構造は凹凸状をしていて、楕円型や鞍型をしているため、楕円関節、鞍関節に種類が分けられます。
次に多軸関節です。
運動の軸が3本以上ある関節で、様々な方向への運動を可能にします。
多軸関節も関節面の構造から、球関節、臼状関節、平面関節に分けられます。
ちなみに、球関節と臼状関節は似たような関節ですが凹面の大きさによって分けられていて、凹面が小さいのが球関節、凹面が広い方を臼状関節になります。
最後に8つに分けた関節が身体のどの部分に該当するのかいくつか挙げていくので、自分のイメージしていたものとあっているか確認してみてください。
蝶番関節・・・指節間関節(指の曲げ伸ばし)
螺旋関節・・・腕尺関節 (肘の曲げ伸ばし)
車軸関節・・・上橈尺関節 (手首の回内、回外)
楕円関節・・・顎関節 (口開閉、下顎を左右にしゃくる)
鞍関節・・・母指CM関節
関節の構造
今まで取り上げてきた筋肉の説明をする中で何度か出てきた「関節」について何回かに分けて説明していきます。
関節を構成している軟部組織はレントゲンにも写らないため、なかなかイメージしにくいところはありますが、、、
関節の構造
関節は、骨の関節面を覆っている関節軟骨と関節部全体を覆っている関節包から構成されています。
また、関節部の骨と骨の間、関節腔には滑液が適度な量で満たされています。
そして、この滑液を生成、吸収しているのが関節腔の内側にある滑膜になります。
以上が基本的な関節の構造になります。
この他にも特殊な構造を持つ関節があります。
*関節円板と関節半月
これらは関節にかかる圧力を分散させたり、関節面同士の隙間をなくしたりして、関節に上手く収まるようにするなどの働きがあります。
関節円板は顎関節に、関節半月は膝関節にそれぞれにあります。
ちなみに、、、
関節軟骨は年齢とともに弾力性が衰え薄くなてきまう。
滑膜はなんらかのストレスが加わることで滑液の生成と吸収のバランスを欠き関節に痛みを引き起こすことがあります。
ストレスの一因にあるのは、身体のバランスが崩れている事にあると思います。
ストレスの中には激しい運動によるものもありますが、対策としても適度な運動が良いと言われており。
その方その方にあったトレーニング量で行うことが大切で難しいところでもあります。
実際に体を動かしながら理解していきたい方は
毎週金曜日に行なっているダンスレッスンの中でも、
身体の構造を理解していただきながらレッスンを行なっています。
1時間レッスンの中で多数生徒がいる中で行なっているため、金曜日の毎レッスンの中でレクチャーできる範囲に限度があります。
プライベートレッスンのご案内もしていますので、興味ある方は一度金曜日のヒラソル銀座ダンススクールで行われているレッスンに足を運んでみてください。
ヒラソル銀座ダンススクール HP
フォームチェックは定期的に
今日は筋肉を使うにあたって、
関節の角度によって効率よく力を伝えることができることを理解しておきましょう。
そして、筋力トレーニングにおいて正しいフォームに一見見えていても、
ちょっとした関節の角度の違いで余計なところにも力が入ってしまい効果を下げてしまっている可能性があることをいくつか例に挙げて説明していきます。
関節の角度を変える事で負荷を変えていこう
まずは、手をギュッと握ってみると、手関節が掌屈位よりも背屈位の方が力が入りやすいのがわかると思います。
また野球のバットやテニスのラケットを握った時にも同じように背屈位での方が力が入りやすいと思います。
このように力が必要な時に関節はある特定の位置が決まっています。
これは、その活動に参加している筋肉それぞれに、効果的に力が入る長さが決まっています。
各筋肉の調整をした結果、関係する筋肉が効率よく力を発揮できる位置に関節の角度が決まるからです。
力は関節の角度によって伝えやすさが変わってきます。
次に、筋力トレーニングのフォームについて、
ついつい鍛えようと少しきつめの重りを上げる際には特に気をつける点になってきます。
大胸筋を鍛えるビーチェストトレーニングでは、足を地面についているか、ついていないかで効果は変わってきます。
足が地面についていることにより下半身の力も入ってしまうので効果が弱くなってしまいます。
さらに、下腿の筋力トレーニングであるレッグカール。
これはうつ伏せでやることが多く頭の上にあるベットの端を持ってしまうと上半身の筋力も使ってしまうので効果が弱くなります。
また、上腕二頭筋の筋力トレーニングであるアームカールでは立位で行うと膝を曲げたりして下半身の力も使ってしまい効果が弱くなってしまいます。
座って行う方が効果は良いでしょう。
このようにちょっとしたフォームの違いで効果は変わってきたしまうので、トレーニングジムの機材の横にも使い方として簡易的な説明はありますが、それだけの知識では正しく行えてないこともあるので、このようなことを理解して行うと良いでしょう。
知って得するインナーマッスル
今回はトレーニングをするにあたって必ず耳にする「インナーマッスル」について!!
ここではインナーマッスルの筋肉名を上げていくのではなく、
インナーマッスルとアウターマッスルの違いを理解してもらおうと思います。
トレーニングをする時にインナーマッスルとアウターマッスルこれらの鍛える順番やバランスは効率・効果を上げることや怪我に防止にも繋がってきますのでしっかり理解しておきましょう。
インナーマッスル:アウターマッスル
身体の構造から見ると、インナーマッスルは関節の周囲にあることが多く、アウターマッスルは表面側にあります。
働きとしては、インナーマッスルは関節を安定させて動きの土台を作る働きがあります。
アウターマッスルは実際の動きを作り出します。
つまりトレーニングで、ベンチプレスやアームカール、スクワットなど重いダンベルをガンガン上げてるのはアウターマッスルになります。
アウターマッスルは表面にあるので鍛えればその成果もわかりやすいですし、重いものを上げてる自分カッコイイな、、、
なんて思ったりもします。
ただアウターマッスルばかりを鍛えることに夢中になっていると、、、
アウターマッスル中心のトレーニングの危険性
先ほど述べたように関節の動きを作っているのはアウターマッスル。
その動きの関節を安定させて土台になっているのはあくまでもインナーマッスルになります。
アウターマッスルを鍛える重りではインナーマッスルを鍛えることはできません。
*近年では、アウターマッスルを鍛える負荷でもインナーマッスルも鍛えられてるのではないかという研究もされているので今後考え方も変わってくるかもしれません。
インナーマッスルは1キロ〜3キロまでの重りまでしかストレスをかけることができず、その重り以上かけてしまうとアウターマッスルの働きが強くなってしまいます。
インナーマッスルを鍛えるにはチューブトレーニングや軽いダンベルでのトレーニングが基本になります。
このインナーマッスルを鍛えずにアウターマッスルを鍛えていると肝心の土台がしっかりしていないためにフォームが崩れやすくバランス良く鍛えることができません。
また生活の中で立っていたり、座っている姿勢も軸になっているのはインナーマッスルになります。
そういったことを踏まえてもインナーマッスルを鍛える必要性っていうのは理解していただけたと思います。
アウターマッスルを鍛えることが悪いのではなく、そのアウターマッスルを鍛えるトレーニングの動作には、動きの土台になっているインナーマッスルを鍛えておくことが効率良く安全にトレーニングをできることにつながります。
チューブトレーニングや軽い重りのトレーニングは地味ではありますが、、、
是非取り入れていきましょう!!